行きはよいよい、帰りは……

会社を出たのは夜の10時半を過ぎていた。自転車がなくなっていたらどうしようとちょっとどきどきしていたが、無事にあった。よかった。夜の丸の内で自転車をこぎ出したが、朝と違うのはカバンにパソコンが入っていることだ……。休日前なので持って帰ろうとしたのだが、パソコンだけで2キロ。電源アダプタを併せると2.5キロはあるだろう。カバンのベルトが肩に食い込む。大丈夫だろうか。


祝田橋付近から見た夜の日比谷

夜に自転車を走らせるのは初めてだったが戸惑うことはなかった。道路沿いのお店の明かりが道路を照らす。ただ、金曜日の夜からなのか、新宿通りなどでは道路工事が多く行われていて、ちょっと走りにくかった。それに客待ちのタクシーの列。交通量が多くないので、大丈夫だったが。

帰りはリミットの時間がないのでゆっくり行こうと思っていた。それにしても新宿に出るまで時間がかかりすぎてしまった。朝はとても気持ちよかった内堀通りだが、道路の左側(国会側)を走るといくつもの交差点をわたって、迂回しないとまっすぐに走れない。遅々として進まず、皇居側の歩道を走ればよかったと後悔した。お腹が空き、新宿通りのコンビに立ち寄ったりしていたことも自転車の進みを遅らせた。新宿に着いた時点では出発後45分くらい経っていたように思う。

朝の青梅街道の走りにくさに辟易したので、帰りは別ルートを採ることにした。新宿まではほぼ同じだが、新宿で青梅街道ではなく、甲州街道の北側にある水道道路を通ることにした。この道が正解だった! 広い道ではないが交通量が多くなく、信号も少ない。直線の道路でかなりの平均速度で走ることができた。ぼくの前をかなり飛ばすマウンテンバイクの青年がいて、その青年に引っ張ってもらった。初台で仕事をしていたとき、終電を逃した金曜日などによく時間をつぶしていたデニーズの前を通る。この店の前を自転車で通るとは思わなかったな。

道道路を直進すると井の頭通りにぶつかる。クルマどおりはそれほどでもない。さくさくペダルを回すうちに人見街道の入り口を発見する。ここまでくればもう慣れた道だ。しかし、このころから肩の痛みが耐えられないようになってきた。パソコン入りのカバンが肩に食い込み、腰まで痛くなってきた。無理な姿勢をとっているのだろう。自転車の上で何度も腰を上げて傷みを分散させる。

痛みにくじけそうになったがなんとか自宅にたどり着いた。まっさきにカバンを下ろしてサイクルコンピュータを見ると、乗っていた時間は約1時間で朝とそれほど変わらなかった。やはり新宿を過ぎてからのスピードアップがよかったのだろう。距離は16.5キロくらいだった。